Q1
株式会社ウルトラエックスや種子島事業所の概要について教えてください。
当社は、東京の秋葉原に本拠を置き主にコンピュータ機器の不良を検査するツールの開発を行っているIT企業です。
いくつかのセキュリティ部門で高度なスキルを有しており、メーカーを中心とした200社にライセンスという形式で技術を提供しています。
また、ソフトウェアの開発のみならず、ハードウェアについても自社で開発するなど、IT業界内でも特異な企業となっています。
2022年に新たな開発拠点として、鹿児島県の種子島に開発センターをオープンしました。
種子島の拠点は、様々な工作機械を並べた「IoTラボ」として位置づけており、ものづくりのできる環境を整備するという当社の新たな試みを実施しています。
ソフトウェアのみならず、ハードウェアを含めたソリューション開発を鹿児島県の離島からスタートしたところです。
Q2
なぜ、種子島に立地を決めたのでしょうか︖
種子島について知ったのは、当時お付き合いしていたコンサル会社からの紹介でした。
教科書に登場する種子島での操業に興味を持ち訪問したところ、住民の方の人柄が好印象であり、立地を検討することとしました。
当時、当社は外部の研究施設を借りていましたが、時間が縛られることからなかなか思うようにいかず、自社でモノづくりができる施設
の設置を考えていました。
ハードウェアの試作などを行うとなると通常のオフィスビルへの立地ができず、首都圏でモノづくり施設を借りるコストと比較して、種子島で自社のモノづくりができる施設を設置することが、種子島と東京にかかる移動費を踏まえても優位でした。
進出にあたり、鹿児島県や西之表市には様々な情報をいただいただけでなく、熱心に現場に足を運んでいただいたり、人脈形成のお力添えをいただいたりと手厚いサポートをいただきました。
紹介いただいた小学校跡は、空港から徒歩10分と近く、航空便も豊富であり、また、船便でも鹿児島市への移動が容易なことから、交通利便性が非常に高く魅力的な立地でした。
また、住民の方は排他的なところが一切なく、気さくで温かい方々ばかりだったこともあり、進出当初から島の環境になじむことができました。
Q3
進出・操業にあたり、離島での人材確保は本土に比べて難しくないですか︖
操業してから3名を採用していますが、地元の方だけでなく、バングラデシュ人も採用しているところです。
離島に限らないですが、地方ではなかなか従業員の住居を確保することが難しいため、当社でも進出時に地元の大手不動産会社と包括協定を締結し、従業員の住居の確保に努めています。
また、Uターン者の採用も行えており、都会で活躍した経験を地元や地方で活かしたいと考えている方への受け皿になれるのではないかと考えています。
人材確保については、確かに都会に比べて人は少ないですが、企業も多くはないので、東京などの都市部での操業に比べると人を引き抜かれにくく、じっくりと人材育成していきやすいと感じています。
Q4
地域活性化の取組をされていると聞いています。
具体的にはどのようなことをされていますか?
鹿児島県外の大学からインターンシップを受け入れており、種子島で当社の事業を体験してもらっています。
離島での体験を通じて、当社の事業のみならず、離島での生活の良さも感じてもらい、インターン生の中から採用も行っているので、採用後種子島等で活躍をしてもらえればと思っているところです。
また、立地場所の中割地区に溶け込むように、地域の方との交流も積極的に行っており、地域活性化の一つとして、「ウルトラ中割祭」を実施しています。
相談などで西之表市にも支援していただいており、当社を地域の人に知ってもらうだけでなく、親しみを持ってもらい、末永く種子島で操業し、中割地区や種子島、鹿児島県のDX化や地域活性化に携わって行きたいです。
Q5
種子島事業所の今後の展望を教えてください。
今回設置した「IoTラボ」では、オープンスペースとして、当社のみならず他社の製品開発の際の活用もしていきたいと考えています。
ここ種子島から新たなものづくり企業やIT企業が誕生し、発展していく基盤として、弊社の「IoTラボ」が活躍できるよう、種子島での事業立ち上げ及びIT技術者の育成に尽力してまいります。
また、将来的にはJAXAとも連携していきたいと考えています。
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